103万円の壁
2025年01月07日 20:33
2025年最初の配信は「103万円の壁」についてお伝えします。
「103万円の壁」とは、アルバイトやパートなど給与収入で働く人が年収103万円を超えると税金が増えるという「年収のボーダーライン」のことです。
このボーダーラインを178万円まで引き上げようと主張しているのが、国民民主党の玉木雄一郎代表です。103万円が定められた当時からの物価スライド等を考慮して、年収のボーダーラインも引き上げようというのが「178万円」の根拠です。
出典:バイトルマガジンBOMS
この主張に対し早速、不安要素が唱えられています。それが税収減です。
2024年10月30日の財務省の試算によると、ボーダーラインを178万円に引き上げると税収が7.6兆円減ると報道されています。つまり「財政収支の悪化によって国が破綻(はたん)する恐れがあります」と指摘しているわけです。
しかし、国民の負担率が減れば国の収入が減るのは当然です。要は、国民の収入と国の収入、どちらを増やすのかという話です。2021年以降の日本の税収は増加し続け、2023年には72.1兆円と過去最高額となっています。物価上昇が顕著な中、現状の国民の生活負担の軽減、人手不足の解消についての議論が深まっています。
議論は始まったばかりです。その行方(ゆくえ)がどうなるかはまだわかりません。私たちは正しい情報を手に入れて、今後の議論の推移を注意深く見守る必要があります。そして、意見を主張する機会を逃さないことも重要なのではないでしょうか。