相続や認知症は、誰にでも起こる可能性がある身近な問題です。いざというときに家族が困らないためにも、元気なうちから財産や将来の資産管理について考えておくことが大切です。
一方で、「相続が発生したらまず何をすればいい?」「遺言書は作った方がいい?」「認知症になると銀行口座からお金を引き出せなくなる?」「家族信託と成年後見制度はどう違う?」など、分かりにくいことも少なくありません。
このページでは、相続の手続きや相続税、遺言、認知症による資産管理、成年後見・家族信託などをはじめ、相続や将来の財産管理について、お客様からよくいただくご質問や、家族であらかじめ考えておきたいポイントを分かりやすく解説しています。
「家族が亡くなったら、相続の手続きは何から始めればいいですか?」相続について、よくいただくご質問の一つです。
「銀行にはいつ連絡する?」「借金があるか分からない」「相続税の申告はいつまで?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、相続が発生したときにまず確認したいことや、相続手続きの基本的な流れ、注意したい期限について分かりやすく解説します。
🔶結論
相続が発生したら、まず「誰が相続人になるのか」「どのような財産があるのか」「遺言書があるのか」を確認することが大切です。
相続財産には、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借入金などのマイナスの財産も含まれます。
また、相続放棄は原則として相続の開始を知った時から3か月以内、相続税の申告・納付は原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内など、期限が定められている手続きもあります。
そのため、すぐに財産を分けることを考えるのではなく、まず相続人と財産の全体像を確認し、必要な手続きを順番に進めていきましょう。
🔶相続手続きは何から始めればいいの?
ご家族が亡くなった直後は、葬儀や役所への届出など、さまざまな手続きが重なります。
そのため、相続についてすぐにすべてを決める必要はありません。
まずは、遺言書が残されていないかを確認し、戸籍などから法定相続人を確認します。
同時に、預貯金、不動産、有価証券、生命保険、借入金など、亡くなった方がどのような財産を持っていたのかを調べていきます。
特に注意したいのが借入金などのマイナスの財産です。
「財産はほとんどないだろう」と思っていても、後から借金が見つかることもあります。
相続するか、相続放棄などを検討するかを判断するためにも、できるだけ早い段階で財産の全体像を確認することが大切です。
🔶相続が発生したら確認したい4つのポイント
① 遺言書があるか確認する
まず確認したいのが、亡くなった方が遺言書を残しているかどうかです。
遺言書がある場合、原則としてその内容を踏まえて相続手続きを進めることになります。
自宅などで自筆証書遺言を見つけた場合には、勝手に開封しないよう注意しましょう。
法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していない自筆証書遺言などは、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になる場合があります。
一方、公正証書遺言や法務局で保管されている自筆証書遺言については、検認は不要です。
まず遺言書の有無と、その種類を確認しましょう。
② 誰が相続人になるのか確認する
相続では、誰が相続人になるのかを正確に確認する必要があります。
「配偶者と子どもだけだと思っていた」という場合でも、家族関係によって相続人となる人は異なります。
一般的には、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍などを確認して、法定相続人を確定します。
遺産分割協議は相続人全員で行う必要があるため、相続人を正確に確認しないまま手続きを進めると、後からやり直しになる可能性があります。
まずは戸籍などを取り寄せ、相続人を確認することが大切です。
③ 預貯金・不動産・借金などの財産を確認する
次に、亡くなった方がどのような財産を持っていたのかを確認します。
預貯金、不動産、株式や投資信託などの有価証券、自動車などのほか、借入金や未払い金なども確認します。
通帳や郵便物、金融機関からの通知、固定資産税の納税通知書などが手掛かりになることがあります。
また、生命保険に加入していた場合には、死亡保険金を請求できる可能性があります。
死亡保険金は、契約形態や受取人の指定などによって相続財産としての取扱いや税金の扱いが異なるため、保険契約の内容も確認しておきましょう。
④ 期限のある手続きを確認する
相続には、期限が定められている重要な手続きがあります。
代表的なものが「相続放棄」です。
借金などが多く相続を希望しない場合、原則として、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ相続放棄の申述を行う必要があります。
また、亡くなった方について所得税の確定申告が必要な場合には、相続人が行う「準確定申告」が必要になることがあり、原則として相続の開始を知った日の翌日から4か月以内が期限です。
相続税の申告・納付が必要な場合は、原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。
「まだ時間がある」と思っていると、財産調査や遺産分割に時間がかかることもあるため、早めに確認しておきましょう。
🔶よくあるご質問
Q:亡くなった人の銀行口座からお金を引き出してもいいですか?
A:相続開始後の預貯金は相続に関係する財産となるため、安易に引き出して使うことには注意が必要です。葬儀費用などでお金が必要な場合には、遺産分割前でも一定の範囲で預貯金の払戻しを受けられる制度があります。まず金融機関や専門家へ確認することをおすすめします。
Q:借金があるか分からない場合はどうすればいいですか?
A:預貯金などのプラスの財産だけでなく、借入金や未払い金なども調査することが大切です。通帳、郵便物、契約書などを確認するほか、必要に応じて信用情報機関への照会などを検討する方法もあります。相続放棄には原則3か月という期間があるため、早めに確認しましょう。
Q:相続税がかからなくても相続手続きは必要ですか?
A:はい。相続税がかからない場合でも、預貯金の名義変更や解約、不動産の相続登記などの手続きが必要になることがあります。相続税がかかるかどうかと、相続手続きが必要かどうかは別の問題です。
🔶ほけん相談室からのアドバイス
当社にも「家族が亡くなったのですが、何から手を付ければいいでしょうか?」というご相談をいただきます。
相続というと、「相続税はいくらかかるのか」を最初に心配される方も多いのですが、相続税がかからない家庭でも相続手続きは発生します。
まず大切なのは、亡くなった方の財産と家族関係を整理することです。
預貯金や不動産だけでなく、生命保険、株式・投資信託、借入金なども含めて確認していくと、相続の全体像が見えてきます。
また、相続放棄など期限が短い手続きもあるため、「落ち着いてから考えよう」と長期間そのままにしておくことには注意が必要です。
大切なのは、「すぐに財産を分けること」ではなく、「相続人・財産・期限を最初に確認すること」です。
税金については税理士、不動産の相続登記については司法書士、遺産分割など法律上の問題については弁護士など、必要に応じて専門家へ相談しながら手続きを進めることも大切です。
🔶相続が発生して何から始めればいいか分からない方へ
「相続が発生したけれど何から始めればいい?」「生命保険があるか分からない」「誰に相談すればいいか分からない」という場合には、まず亡くなった方の財産や契約内容を整理することから始めてみましょう。
預貯金、不動産、生命保険、借入金などを確認し、どのような手続きが必要なのかを整理することで、次に何をすればよいのかが見えやすくなります。
「相続について何から確認すればいい?」「生命保険の手続きはどうすればいい?」という場合も、お気軽に株式会社ほけん相談室までご相談ください。必要に応じて、手続きの内容に応じた専門家への相談もご検討ください。
「相続すると、いくらから相続税がかかるのですか?」相続について、よくいただくご質問の一つです。
「親の財産が3,000万円を超えたら相続税がかかる?」「自宅も相続財産に含まれる?」「生命保険金にも相続税がかかる?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、相続税がかかる目安となる基礎控除や、相続税の基本的な計算方法、相続財産を確認するときのポイントについて分かりやすく解説します。
🔶結論
相続税は、相続した財産が一定額を超えると必ずかかるという単純な仕組みではありません。
まず、相続財産などから債務や葬式費用などを差し引いて「正味の遺産額」を計算し、その金額が相続税の基礎控除額を超えるかどうかを確認します。
相続税の基礎控除額は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
で計算します。
例えば、法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人なら、基礎控除額は4,800万円です。
正味の遺産額が基礎控除額以下であれば、原則として相続税はかかりません。
一方、基礎控除額を超える場合でも、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などによって、実際に納める相続税が少なくなったり、0円になったりする場合があります。
🔶相続税の基礎控除って何?
基礎控除とは、相続税を計算するときに遺産から差し引くことができる一定の金額です。
例えば、夫が亡くなり、相続人が妻と子ども2人の場合を考えてみましょう。
法定相続人は3人なので、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
となり、基礎控除額は4,800万円です。
正味の遺産額が4,800万円以下であれば、原則として相続税はかかりません。
相続人が妻と子ども1人なら4,200万円、子ども1人だけなら3,600万円となります。
つまり、「相続財産が3,000万円を超えたら相続税がかかる」というわけではなく、法定相続人の人数によって基礎控除額は変わります。
🔶相続税を考えるときの4つのポイント
① まず相続財産を確認する
相続税を考えるときは、まず亡くなった方がどのような財産を持っていたのかを確認します。
代表的なものとして、預貯金、土地・建物、株式や投資信託などの有価証券があります。
「銀行にあるお金だけで考えればいい」と思われることがありますが、自宅の土地や建物なども相続税を計算する際の財産に含まれます。
一方で、借入金などの債務や一定の葬式費用については、相続財産などから差し引くことができます。
まずはプラスの財産だけでなく、借入金なども含めて財産全体を確認することが大切です。
② 生命保険金には非課税枠がある
亡くなった方が保険料を負担していた生命保険の死亡保険金を相続人が受け取った場合、相続税の対象となることがあります。
ただし、相続人が受け取る死亡保険金には、
500万円×法定相続人の数
という相続税の非課税限度額があります。
例えば、法定相続人が3人なら、死亡保険金の非課税限度額は1,500万円です。
相続人が受け取った対象となる死亡保険金の合計が1,500万円以内であれば、その範囲については相続税がかかりません。
生命保険には、死亡後比較的早く保険金を請求できるという特徴もあるため、相続税だけでなく、葬儀費用など相続発生後に必要になる資金を準備する方法として活用されることもあります。
③ 基礎控除を超えた金額にそのまま税率を掛けるわけではない
相続税の税率は10%から55%ですが、基礎控除を超えた金額に、そのまま税率を掛けて相続税を計算するわけではありません。
まず、正味の遺産額などから基礎控除額を差し引いて課税遺産総額を求めます。
次に、その課税遺産総額を法定相続人が法定相続分どおりに取得したものとして各人の取得金額を計算し、それぞれに税率を適用して相続税の総額を求めます。
その後、実際に財産を取得した割合などに応じて各人の相続税額を計算し、各種の税額控除などを適用します。
そのため、「遺産が5,000万円だから相続税は○○万円」と、遺産総額だけで簡単に判断することはできません。
④ 相続税を軽減できる制度がある
相続税には、一定の条件を満たすことで税負担を軽減できる制度があります。
代表的なものが「配偶者の税額軽減」です。
配偶者が実際に取得した正味の遺産額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額までであれば、配偶者には原則として相続税がかかりません。
また、亡くなった方が住んでいた土地などについて、一定の要件を満たせば評価額を減額できる「小規模宅地等の特例」が利用できる場合もあります。
ただし、これらの特例を利用して相続税が0円になる場合でも、相続税の申告が必要になるケースがあります。
「税金がかからなそうだから何もしなくていい」と自己判断せず、特例を利用する場合には申告が必要かどうかも確認しましょう。
🔶よくあるご質問
Q:財産が3,000万円を超えたら相続税がかかりますか?
A:必ずしもかかるわけではありません。相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除があります。例えば法定相続人が3人なら基礎控除額は4,800万円です。まず正味の遺産額が基礎控除額を超えるかどうかを確認します。
Q:自宅も相続税の対象になりますか?
A:土地や建物も相続税の対象となる財産です。ただし、相続税を計算するときは購入したときの価格や現在の売却価格をそのまま使うわけではなく、相続税上の評価方法によって評価します。また、一定の要件を満たす土地については、小規模宅地等の特例によって評価額を減額できる場合があります。
Q:生命保険金は相続税がかからないのですか?
A:亡くなった方が保険料を負担していた死亡保険金を相続人が受け取った場合は、相続税の対象となることがあります。ただし、相続人が受け取る死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税限度額があります。契約者・被保険者・受取人の関係によって税金の種類が異なる場合もあるため、契約内容を確認することが大切です。
🔶ほけん相談室からのアドバイス
当社にも「親の財産がこれくらいあるのですが、相続税はかかりますか?」というご相談をいただきます。
その際に注意したいのが、預貯金だけを見て判断しないことです。
例えば、預貯金が2,000万円しかなくても、自宅や土地、有価証券などを合わせると基礎控除額を超える場合があります。
反対に、財産額が基礎控除額を超えていても、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などによって、実際に納める相続税が0円になる場合もあります。
また、生命保険には一定の非課税限度額があるため、相続を考える際には現在加入している生命保険の契約内容や死亡保険金の受取人についても確認しておくことをおすすめします。
大切なのは、「財産はいくらあるか」だけではなく、「どのような財産を、誰が、どのように相続するのか」を確認することです。
相続税の具体的な計算や特例の適用については、税理士などの専門家へ相談しながら進めることも大切です。
🔶相続税がかかるか分からない方へ
「親の財産に相続税がかかる?」「自宅を含めると基礎控除を超えるかもしれない」「生命保険を相続対策に活用できる?」という方は、まず現在の財産や生命保険の契約内容を整理してみることをおすすめします。
預貯金、不動産、有価証券、生命保険、借入金などを確認することで、相続税について事前に考えておきたいポイントが見えやすくなります。
「相続に備えて生命保険を確認したい」「現在の保険が相続時にどのように扱われるか知りたい」という場合も、お気軽に株式会社ほけん相談室までご相談ください。
なお、具体的な相続税額の計算や税務上の判断については、税理士などの専門家へご相談ください。
「遺言書は作っておいた方がいいですか?」相続について、よくいただくご質問の一つです。
「財産が少なくても必要?」「子どもたちは仲がいいから大丈夫?」「自分で書いた遺言書でも有効?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、遺言書を作っておいた方がよいケースや、遺言書の種類、作成するときに知っておきたい注意点について分かりやすく解説します。
🔶結論
遺言書は、すべての人が必ず作らなければならないものではありません。
しかし、「誰に、どの財産を、どのように残したいか」という希望がある場合には、遺言書を作成しておくことが有効です。
遺言書がない場合、原則として相続人全員で遺産分割について話し合うことになります。
家族の仲が良くても、自宅など分けにくい財産があったり、それぞれの生活状況や考え方が違ったりすることで、話し合いが難しくなる場合があります。
特に、子どもがいない夫婦、再婚している方、相続人以外に財産を残したい方、不動産を多く所有している方などは、元気なうちに遺言書の作成を検討しておくとよいでしょう。
🔶遺言書がないとどうなるの?
遺言書がない場合、相続人が複数いれば、誰がどの財産を相続するのかを相続人同士で話し合う「遺産分割協議」を行うことが一般的です。
遺産分割協議では、原則として相続人全員の合意が必要です。
例えば、財産の大部分が自宅で預貯金が少ない場合、「自宅を誰が相続するのか」「ほかの相続人には何を渡すのか」といった問題が生じることがあります。
また、相続人が遠方に住んでいる場合や、長年交流のない相続人がいる場合などは、手続きそのものに時間がかかることもあります。
遺言書を作成しておけば、遺言者の意思に基づいて財産の承継先を指定できるため、相続人の手続き上の負担や遺産分割をめぐるトラブルを減らせる可能性があります。
🔶遺言書を作っておきたい4つのケース
① 子どもがいない夫婦
子どもがいない夫婦の場合、「自分が亡くなったら財産はすべて配偶者が相続する」と思っている方もいらっしゃいます。
しかし、亡くなった方の両親が存命であれば配偶者と両親、両親などがすでに亡くなっていて兄弟姉妹がいる場合には、配偶者と兄弟姉妹などが法定相続人になることがあります。
そのため、自宅を含めた財産をすべて配偶者に残したいと考えている場合でも、遺言書がなければ他の相続人との遺産分割協議が必要になる可能性があります。
「配偶者にできるだけ財産を残したい」という希望がある場合には、遺言書を作成しておくことを検討しましょう。
② 再婚している・前の結婚で子どもがいる
再婚しており、前の配偶者との間に子どもがいる場合なども、遺言書を検討したいケースです。
現在の配偶者と前の結婚で生まれた子どもは、いずれも相続人になる可能性があります。
普段交流がほとんどない場合には、相続が発生して初めて連絡を取り、遺産分割について話し合わなければならないこともあります。
現在の配偶者の生活を守りながら、子どもにもどのように財産を残すのかなど、自分の希望をあらかじめ整理しておくことが大切です。
③ 自宅など分けにくい財産が多い
相続財産の大部分が自宅や土地などの不動産の場合も、遺産分割が難しくなることがあります。
例えば、子ども2人が相続人で、主な財産が3,000万円相当の自宅と500万円の預貯金だった場合、財産を同じように分けることは簡単ではありません。
自宅を相続する人が他の相続人へ代償金を支払う方法などもありますが、十分な現金を準備できない場合もあります。
「自宅は同居している長男に残したい」などの希望がある場合には、遺言書だけでなく、預貯金や生命保険などを含めて財産全体のバランスを考えておくことが重要です。
④ 相続人以外に財産を残したい
長年介護をしてくれた子どもの配偶者や、内縁の配偶者など、法定相続人ではない人に財産を残したい場合にも、遺言書が重要になります。
法定相続人ではない人は、原則として法定相続によって財産を取得することはできません。
遺言によって財産を渡す「遺贈」という方法を利用することで、相続人以外の人や団体などに財産を残すことができます。
ただし、相続人の構成によっては「遺留分」という一定の権利にも注意する必要があります。
🔶遺言書を作るときの注意点
遺言書は、単に自分の希望を書いておけばよいというものではありません。
法律で定められた方式を満たしていなければ、遺言書として効力が認められない場合があります。
一般的に利用されるものには「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。
自筆証書遺言は自分で作成できるため比較的手軽ですが、法律上の方式に注意する必要があります。また、自宅などで保管している場合には、紛失や発見されないリスクも考えられます。
法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用して、作成した遺言書を法務局で保管してもらう方法もあります。
一方、公正証書遺言は、公証人が関与して作成するため費用や手続きは必要ですが、方式の不備によって無効になるリスクを抑えやすく、原本が公証役場で保管されるという特徴があります。
財産や家族関係が複雑な場合には、弁護士や司法書士などの専門家へ相談しながら作成することも検討しましょう。
🔶よくあるご質問
Q:財産が少なくても遺言書は必要ですか?
A:遺言書の必要性は財産額だけでは決まりません。財産が少なくても、自宅など分けにくい財産がある場合や、特定の人に財産を残したい場合には、遺言書が役立つことがあります。相続税がかかるかどうかと、遺言書を作る必要性は別に考えましょう。
Q:自分で書いた遺言書でも有効ですか?
A:法律で定められた要件を満たした自筆証書遺言であれば、有効な遺言書となります。ただし、作成方法に不備があると問題になる可能性があります。法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する方法や、公正証書遺言を作成する方法もあります。
Q:遺言書があれば、必ずそのとおりに相続できますか?
A:有効な遺言書は相続において重要ですが、兄弟姉妹以外の一定の法定相続人には「遺留分」が認められています。特定の相続人だけにすべての財産を残す内容などの場合、他の相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。家族関係や財産内容を踏まえて作成することが大切です。
🔶ほけん相談室からのアドバイス
当社にも「うちは子どもたちの仲がいいので、遺言書は必要ありませんよね?」というご相談をいただくことがあります。
もちろん、遺言書がなくても円満に相続できる家庭はたくさんあります。
しかし、相続で問題になりやすいのは、必ずしも家族の仲が悪い家庭だけではありません。
例えば、自宅を誰が相続するのか、親と同居して介護をしてきた子どもと他の子どもを同じように考えるのかなど、相続が発生して初めて家族それぞれの考え方の違いが分かることもあります。
そのため、遺言書を考えるときは、「財産が多いか少ないか」だけではなく、**「自分が亡くなった後、残された家族が財産を分けやすいか」**という視点で考えることが大切です。
また、生命保険の死亡保険金は、一般的に受取人を指定して契約します。
「誰に、どのようにお金を残したいのか」を考える際には、遺言書だけでなく、預貯金、不動産、生命保険などを含めて財産全体を整理しておくことをおすすめします。
🔶遺言書を作った方がいいか迷っている方へ
「自分にも遺言書が必要?」「子どもがいないので配偶者に財産を残したい」「不動産が多く、子どもたちが分けられるか心配」という方は、一度、現在の財産と家族関係を整理してみることをおすすめします。
預貯金、不動産、有価証券、生命保険などの財産と、誰が法定相続人になるのかを確認することで、遺言書を作成しておいた方がよいか考えやすくなります。
「相続に備えて生命保険の受取人を確認したい」「財産をどのように残すか整理したい」という場合も、お気軽に株式会社ほけん相談室までご相談ください。
なお、遺言書の具体的な作成や法的な判断については、弁護士、司法書士、公証役場などの専門家・関係機関へご相談ください。
「認知症になると、銀行の預金は引き出せなくなるのですか?」認知症と財産管理について、よくいただくご質問の一つです。
「家族なら代わりに引き出せる?」「銀行に認知症だと知られたら口座が凍結される?」「元気なうちに何をしておけばいい?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、認知症になった場合の銀行口座の取扱いや、家族がお金を管理するときの注意点、元気なうちに考えておきたい備えについて分かりやすく解説します。
🔶結論
認知症になったからといって、銀行口座が一律に「凍結」され、すぐに預金を引き出せなくなるわけではありません。
重要なのは、本人に取引内容を理解し、自分の意思で判断できる能力があるかどうかです。
認知症の程度には個人差があり、本人の意思確認ができる状態であれば、必要な手続きを行える場合があります。
一方、認知症が進み、本人の意思確認が難しくなると、本人の財産を守るため、預金の引き出しや定期預金の解約などの手続きが難しくなることがあります。
そのため、認知症になってから対応を考えるのではなく、元気で判断能力が十分にあるうちに、預貯金や不動産などの財産を整理し、将来誰がどのように管理するのかを家族で話し合っておくことが大切です。
🔶認知症になると銀行口座は凍結されるの?
「銀行が認知症だと知ると、すぐ口座を凍結する」と思われることがありますが、必ずしもそうではありません。
銀行が確認するのは、認知症という病名だけではなく、本人が取引の内容を理解し、自分の意思で手続きを行える状態かどうかです。
例えば、認知症と診断されていても、本人が取引内容を理解して意思表示できる場合には、手続きができることがあります。
反対に、本人の意思確認ができない状態になると、家族であっても自由に本人名義の預金を引き出したり、定期預金を解約したりできるとは限りません。
預金はあくまで本人の財産だからです。
「家族だから自由に管理できる」と考えず、本人の判断能力が低下する前から準備しておくことが重要です。
🔶認知症になる前に考えたい4つのポイント
① まず預貯金や財産を整理しておく
本人しか「どこに、どのくらいの財産があるのか」を知らない状態は、将来家族が財産を管理する際の大きな負担になります。
銀行口座、定期預金、株式・投資信託、不動産、生命保険など、どのような財産や契約があるのかを整理しておきましょう。
特に複数の金融機関に口座があり、長期間使用していない口座がいくつもある場合には、必要に応じて整理しておくことも考えられます。
財産をすべて家族へ渡してしまう必要はありません。
「どこに何があるのか、いざというとき家族が確認できる状態にしておく」ということが大切です。
② 銀行の代理人制度などを確認しておく
金融機関によっては、本人の判断能力が十分にあるうちに、家族などを代理人として登録できる制度や、将来の財産管理に備えるサービスを用意している場合があります。
制度の名称や利用できる取引、条件などは金融機関によって異なります。
「キャッシュカードと暗証番号を家族に教えておけば大丈夫」と考えるのではなく、取引している金融機関にどのような制度があるのかを確認しておくと安心です。
本人の判断能力が低下してからでは利用できない制度もあるため、元気なうちに確認しておきましょう。
③ 成年後見制度について知っておく
本人の判断能力が低下し、自分で財産を管理することが難しくなった場合には、成年後見制度を利用する方法があります。
成年後見制度には、大きく分けて「法定後見制度」と「任意後見制度」があります。
法定後見制度は、すでに判断能力が不十分になった方について、家庭裁判所が選任した成年後見人等が本人を法律的に支援する制度です。
一方、任意後見制度は、本人に十分な判断能力があるうちに、将来判断能力が低下した場合に備えて、自分で選んだ人にどのような支援をしてもらうかを契約しておく制度です。
それぞれ仕組みや開始時期などが異なるため、利用を検討する場合には専門家へ相談することをおすすめします。
④ 家族信託などの方法も検討する
元気なうちに将来の財産管理方法を決めておく方法として、「家族信託(民事信託)」を利用するケースもあります。
例えば、自分が元気なうちに、一定の財産の管理を信頼できる家族へ託し、将来自分の判断能力が低下した場合にも、その契約内容に基づいて管理してもらう仕組みです。
ただし、家族信託を利用すれば、認知症に関するすべての問題を解決できるわけではありません。
信託する財産や契約内容をあらかじめ決める必要があり、身上保護など成年後見制度でなければ対応できないこともあります。
成年後見制度と家族信託にはそれぞれ異なる役割があるため、「どちらが優れているか」ではなく、自分や家族の状況に合った方法を考えることが大切です。
🔶よくあるご質問
Q:親が認知症になったら、子どもでも預金を引き出せませんか?
A:家族だからという理由だけで、本人名義の預金を自由に引き出せるわけではありません。原則として預金の引き出しには本人の意思確認が必要です。ただし、本人の生活費や入院費、介護施設費用などが必要な場合には、個別の事情に応じて金融機関が対応を検討する場合があります。まず取引銀行へ相談しましょう。
Q:認知症と診断されたら、すぐ銀行へ届け出る必要がありますか?
A:認知症という診断だけで、すべての銀行取引が一律にできなくなるわけではありません。本人の判断能力や希望する取引などによって対応は異なります。具体的な手続きについては取引金融機関へ確認してください。
Q:家族がキャッシュカードと暗証番号を預かっておけば大丈夫ですか?
A:本人名義のキャッシュカードを家族が使用することについては、金融機関の規定などに注意が必要です。また、それだけでは定期預金の解約や不動産の売却など、さまざまな財産管理に対応できません。将来に備えるのであれば、金融機関の代理人制度や任意後見、家族信託など、正式な方法を検討することが大切です。
🔶ほけん相談室からのアドバイス
当社にも「親が認知症になったら、銀行のお金はどうすればいいのでしょうか?」というご相談をいただきます。
この問題で最も大切なのは、認知症になってから考えるのではなく、本人が元気なうちに家族で話し合っておくことだと思います。
例えば、銀行口座や定期預金がいくつもあり、投資信託や不動産なども所有している場合、本人しか財産の内容を知らないまま判断能力が低下すると、家族が状況を把握するだけでも大変になります。
まず、預貯金、投資商品、不動産、生命保険などの財産を整理し、「どこに、どのような財産があるのか」を家族が確認できるようにしておくことが第一歩です。
そのうえで、将来の生活費や介護費用をどのように管理するのか、金融機関の代理人制度、任意後見、家族信託などが必要なのかを考えていきます。
大切なのは、「認知症になったらどうするか」ではなく、「元気なうちに何を準備しておくか」を考えることです。
家族がお金の管理を手伝っている場合でも、本人の意思を尊重しながら、後から家族間で問題にならないよう、お金の出入りが分かるように記録を残しておくこともおすすめします。
🔶認知症になる前の財産管理が気になる方へ
「親の銀行口座を今後どう管理すればいい?」「認知症になる前に財産を整理しておきたい」「成年後見制度と家族信託のどちらを考えればいい?」という方は、まず現在の財産や家族の状況を整理してみることをおすすめします。
預貯金、不動産、投資商品、生命保険などを確認し、将来誰がどのように管理するのかを家族で話し合っておくことで、必要な準備が見えやすくなります。
「認知症になる前にどんな準備をしておけばいい?」「保険も含めて現在の財産を整理したい」という場合も、お気軽に株式会社ほけん相談室までご相談ください。
なお、成年後見制度や家族信託などの具体的な利用・契約については、弁護士、司法書士などの専門家へご相談ください。
「家族信託と成年後見制度は、何が違うのですか?」認知症への備えについて、よくいただくご質問の一つです。
「認知症になると財産を管理できなくなる?」「家族信託をしておけば成年後見制度は必要ない?」「元気なうちに何をしておけばいい?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、家族信託と成年後見制度の違いや、それぞれの特徴、認知症になる前に考えておきたい財産管理のポイントについて分かりやすく解説します。
🔶結論
家族信託と成年後見制度は、どちらも認知症などによって本人の判断能力が低下した場合の財産管理に活用できる仕組みですが、その目的やできることは異なります。
家族信託は、本人の判断能力が十分にあるうちに、預貯金や不動産など一定の財産を信頼できる家族などに託し、あらかじめ決めた目的に沿って管理してもらう仕組みです。
一方、成年後見制度は、判断能力が不十分な方の権利や財産を守り、生活や財産管理などを法律的に支援するための制度です。
そのため、「家族信託と成年後見制度のどちらが優れているか」ではなく、**「将来、誰に何をしてもらいたいのか」**を考え、それぞれの特徴を理解したうえで選択することが大切です。
🔶家族信託と成年後見制度は何が違うの?
大きな違いの一つは、「本人が元気なうちに財産管理の方法を決めておく仕組みなのか」「判断能力が低下した本人を法律的に支援する制度なのか」という点です。
家族信託では、本人が判断能力のあるうちに、誰にどの財産を託し、どのように管理してもらうのかを契約などで決めます。
例えば、親が所有する賃貸不動産を子どもに信託し、将来親の判断能力が低下しても、信託契約で定めた範囲で子どもが管理を続けられるようにする方法などがあります。
一方、成年後見制度は、認知症などによって判断能力が不十分になった本人を保護・支援する制度です。
本人の財産管理だけでなく、介護サービスや施設入所などに関する契約を支援する役割もあります。
家族信託は主に「財産管理」、成年後見制度は「本人の権利や生活を含めた法律的な支援」と考えると違いが分かりやすいでしょう。
🔶家族信託と成年後見制度を考える4つのポイント
① 家族信託は元気なうちに準備する
家族信託を利用するためには、本人が契約内容を理解し、自分の意思で契約できる状態であることが重要です。
例えば、「自分が認知症になったら、この不動産の管理を長男に任せたい」と考えていても、すでに契約内容を理解できない状態になってから新たに家族信託を設定することは難しくなります。
そのため、家族信託を検討するのであれば、認知症になってからではなく、元気で判断能力が十分にあるうちに考える必要があります。
また、すべての財産を信託する必要はなく、「どの財産を、何のために、誰に管理してもらうのか」を考えて設計することが大切です。
② 成年後見制度は本人を守るための制度
成年後見制度は、認知症などによって判断能力が不十分な方を法律的に保護・支援する制度です。
成年後見制度には、大きく「法定後見制度」と「任意後見制度」があります。
法定後見制度は、本人の判断能力がすでに不十分になった場合に、家庭裁判所が本人の判断能力の程度に応じて成年後見人等を選任する制度です。
一方、任意後見制度は、本人の判断能力が十分にあるうちに、将来判断能力が低下した場合に備えて、自分で選んだ人とあらかじめ契約しておく制度です。
法定後見の場合、「家族を後見人にしたい」と希望しても、必ずその人が選任されるとは限りません。
家庭裁判所が本人の状況などを考慮して、適任と判断した人を選任します。
③ 家族信託だけでは対応できないこともある
家族信託を利用していれば、認知症になってもすべての手続きが家族だけでできる、というわけではありません。
家族信託で管理できるのは、基本的に信託契約の対象とした財産です。
また、受託者である家族が、本人に代わって介護施設への入所契約など、本人自身に関するあらゆる法律行為を当然に行えるわけではありません。
そのため、財産管理については家族信託を利用し、本人の生活や契約などについては任意後見制度を利用するなど、それぞれの仕組みを組み合わせることが適している場合もあります。
「家族信託をすれば成年後見制度は絶対に必要ない」と考えず、将来どのような支援が必要になる可能性があるのかを確認することが大切です。
④ 財産だけでなく将来の生活まで考える
認知症への備えというと、「銀行口座をどうするか」「自宅を売却できるようにするにはどうするか」など、財産のことだけを考えがちです。
しかし、実際に判断能力が低下すると、介護サービスの契約、施設への入所、日常生活に必要なさまざまな手続きなども発生します。
そのため、預貯金や不動産の管理だけではなく、「誰に生活を支えてもらうのか」「介護費用をどの財産から支払うのか」まで考えておくことが重要です。
預貯金、不動産、有価証券、生命保険などの財産を整理したうえで、家族信託、任意後見、遺言などをどのように組み合わせるのかを検討する方法もあります。
🔶よくあるご質問
Q:家族信託をしておけば成年後見制度は必要ありませんか?
A:必ずしもそうではありません。家族信託は主に信託した財産を管理するための仕組みであり、本人の生活に関するすべての法律行為を家族が代理できるようになるものではありません。本人の状況によっては成年後見制度が必要になる場合や、両方を組み合わせることが適している場合もあります。
Q:認知症になってからでも家族信託はできますか?
A:家族信託の契約には、本人が契約内容を理解して意思表示できる能力が必要です。認知症という診断だけで一律に判断されるものではありませんが、すでに契約内容を理解するための判断能力が失われている場合には、新たに信託契約を結ぶことは難しくなります。元気なうちに検討しておくことが大切です。
Q:成年後見人には必ず家族がなれますか?
A:法定後見制度では、成年後見人等を選任するのは家庭裁判所です。家族を候補者として希望することはできますが、必ずその家族が選任されるわけではありません。本人の財産や生活状況などを踏まえ、弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職が選任される場合もあります。
🔶ほけん相談室からのアドバイス
当社にも「認知症になる前に家族信託をしておいた方がいいですか?」というご相談をいただくことがあります。
その際に大切なのは、最初から「家族信託をする」「成年後見制度を使う」と制度を決めてしまわないことだと考えています。
まず、預貯金、不動産、投資商品、生命保険など、現在どのような財産を持っているのかを整理します。
そのうえで、「認知症になったときに何が困るのか」を考えてみます。
例えば、自宅を将来売却して介護施設の費用に充てたいのか、賃貸不動産の管理を子どもに任せたいのか、日常的なお金の管理や施設との契約まで家族に任せたいのかによって、必要な準備は異なります。
大切なのは、「どの制度を使うか」から考えるのではなく、「将来どんなことに困る可能性があるのか」から考えることです。
家族信託、任意後見、遺言などにはそれぞれ役割があります。
本人が元気なうちに財産と家族の状況を整理し、必要に応じて専門家へ相談しながら、自分の希望に合った方法を選んでおくことをおすすめします。
🔶認知症への備えを考えている方へ
「家族信託と成年後見制度のどちらが必要?」「親が元気なうちに何をしておけばいい?」「預金や不動産、生命保険を含めて財産を整理したい」という方は、まず現在の財産と、将来どのように管理してほしいのかを家族で整理してみることをおすすめします。
預貯金、不動産、有価証券、生命保険などを確認し、将来の生活費や介護費用をどのように準備・管理するのかを考えることで、必要な対策が見えやすくなります。
「認知症になる前にどんな準備をしておけばいい?」「現在の財産や保険を一度整理したい」という場合も、お気軽に株式会社ほけん相談室までご相談ください。
なお、家族信託や成年後見制度、任意後見契約などの具体的な利用・契約については、弁護士、司法書士、公証役場などの専門家・関係機関へご相談ください。